クレジットカードは事前にキャッシング枠の契約をするといざというときにキャッシング即日が可能です。
キャッシング機能はATMや口座振込ですぐに現金を借りられるため、手元に現金がないときにとても役立ちます。
しかし、実際にどうやって利用するのか分からない人も多いのではないでしょうか。
この記事ではクレジットカードのキャッシング機能の利用方法やカードローンとの違い、利用する際の注意点などを解説します。
この記事でわかること
- クレジットカードのキャッシング機能で現金の借り入れができる
- 利用するにはクレジットカード会社に申し込みをし、審査を受けて利用限度額を決定する
- 利用方法は、ATMで現金を借りる方法と口座振込の2つがある
- キャッシング機能は海外でも利用が可能で、現地通貨を用意できる
クレジットカードのキャッシング機能は現金の借り入れが可能
クレジットカードは、付帯のキャッシング機能を利用して現金の借り入れが可能です。
本来、キャッシングとは現金を借りるサービスの総称で、大きく分けると以下の2つがあります。
- クレジットカードに付帯のキャッシング機能
- カードローン
広い意味ではカードローンもキャッシングですが、一般的にはクレジットカードのキャッシング機能を利用してお金を借りることをキャッシングと呼んでいます。
では、クレジットカードのキャッシング機能を使ったお金の借り入れについて解説していきます。
クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠がある
クレジットカードには、買い物に使えるショッピング機能と、お金の借り入れができるキャッシング機能があります。
多くの人が買い物や公共料金の支払いに利用している機能が、ショッピング機能です。
ショッピング機能とは、商品やサービスの代金をクレジットカード会社が立て替えて支払い、後日利用者がクレジットカード会社に利用額を1か月分まとめて支払う仕組みのことです。
キャッシング機能とはクレジットカードを使い現金が借りられる機能のことで、銀行やコンビニのATMを利用し、自分の銀行口座からお金を下ろすときと同じような簡単な操作で借り入れできます。
ショッピング機能とキャッシング機能には枠があり、それぞれの枠で利用できる上限額が決められています。
ショッピング枠 | 商品やサービスの支払いに利用できる金額の上限 |
---|---|
キャッシング枠 | 借り入れできる金額の上限 |
ショッピング枠とキャッシング枠の利用限度額は、それぞれ審査によって決まります。
キャッシング機能の利用限度額は審査で決まる
キャッシング機能を利用するためには、クレジットカード会社に申し込みをし、審査を受けて利用限度額を決定します。
クレジットカードのキャッシング機能を利用した融資は、貸金業法といった法律に基づいておこなわれます。
貸金業法の総量規制では、年収の3分の1を超える貸付けが禁止されており、クレジットカードのキャッシング枠やカードローンの利用金額が年収の3分の1以内に制限されています。
クレジットカード会社は、利用者の年収や信用情報をもとに審査をおこない、申込時の利用希望額を考慮して利用限度額を決定します。
キャッシング機能とカードローンは限度額や金利などが違う
クレジットカードのキャッシング機能もカードローンも、個人向けの少額融資を扱っている点では同じですが、以下のような違いがあります。
キャッシング機能 | カードローン | |
---|---|---|
ショッピング利用 | 可能 | 不可 |
利用限度額 | 低め | 高め |
金利 | 高め | 低め |
即日融資 | 難しい | 可能 |
キャッシング機能とカードローンの違いを理解し、上手に使い分けましょう。
クレジットカードはショッピングにも使える
クレジットカードのキャッシングとカードローンの大きな違いのひとつが、ショッピングに利用できるかどうかです。
キャッシング機能付きクレジットカードはショッピングに利用できますが、カードローンは借り入れ専用カードのため、カードを提示して支払うことはできません。
クレジットカードであれば、普段は買い物や公共料金の支払いに利用しつつ、いざとなった時はキャッシング機能で現金を引き出せるのが利点です。
クレジットカードのキャッシング機能は限度額が低め
クレジットカードのキャッシングは、カードローンに比べ利用限度額が低い傾向にあります。
一例として、JCBと三井住友カードの利用限度額を見てみましょう。
JCBと三井住友カードは、ともにクレジットカードとカードローンの両方を扱っています。
三井住友カードのクレジットカードおよびカードローン
- クレジットカード:三井住友カード(NL)
- カードローン:三井住友カード カードローン
JCBのクレジットカードおよびカードローン
- クレジットカード:JCB一般カード
- カードローン:JCB CARD LOAN FAITH
上記のクレジットカードとカードローンの利用限度額を比較すると、以下のような差があります。
キャッシング機能の限度額 | カードローンの限度額 | |
---|---|---|
JCB | 100万円まで | 500万円まで |
三井住友カード | 300万円まで | 900万円まで |
JCBのカードローンFAITHの利用限度額は最大500万円ですが、JCBクレジットカードのキャッシング機能の限度額は最大100万円と、カードローンの限度額よりも少ない額に設定されています。
三井住友カードも同様に、カードローンの限度額が900万円であるのに対し、クレジットカードのキャッシング機能は限度額が300万円までです。
このように、カードローンの方がクレジットカードのキャッシング機能よりも枠が大きい傾向にあります。
ただし、これらの金額は限度額を設定できる最大の金額であり、実際には審査により決められた限度額内での利用になります。
クレジットカードのキャッシング機能は金利が高め
クレジットカードのキャッシング機能とカードローンは金利にも違いがあり、キャッシング機能の方が金利は高い傾向にあります。
JCBと三井住友カードを例に、比較してみましょう。
キャッシング機能の金利 | カードローンの金利 | |
---|---|---|
JCB | 年15.0~18.0% | 年4.4~12.5% |
三井住友カード | 年15.0~18.0% | 年1.5~15.0% |
上記表のとおり、カードローンの金利はクレジットカードのキャッシング機能よりも、上限金利が低めに設定されているのがわかります。
短期間で返済する場合は影響が少ないのですが、返済期間が長くなる場合は金利を確認してから利用しましょう。
あらかじめキャッシング枠を設定していないと即日融資は難しい
クレジットカードのキャッシングで即日融資を受けるには、事前にキャッシング枠の設定が必要です。
クレジットカードのキャッシング枠は、一般的に申し込みから審査完了まで3〜7日ほどかかります。
クレジットカードのキャッシングを利用する可能性がある人は、あらかじめキャッシング枠の設定をおこなっておきましょう。
大手消費者金融のカードローンであれば即日で融資してくれる
大手消費者金融のカードローンをはじめとして、カードローンは即日融資に対応しているところがあります。
即日融資は申込当日中に融資を受けられるため、急ぎでお金が必要になった際に非常に役に立ちます。
クレジットカードのキャッシング機能の利点
限度額や金利の面ではカードローンに及びませんが、クレジットカードのキャッシング機能には以下のような利点があります。
- 事前にキャッシング枠の設定を済ませると急な出費に対応できる
- 利用限度額の範囲であれば何度でも借りられる
- 海外で現地通貨を用意できる
とくに、海外で利用できる点は、カードローンにはない大きな特徴です。
事前にキャッシング枠の設定を済ませると急な出費に対応可能
クレジットカードのキャッシングは事前にキャッシング枠の設定を済ませることで、必要な時にすぐに借り入れが可能です。
普段利用しているクレジットカードを使い、銀行やコンビニのATMから素早く現金を借りられるため、急にお金が必要になったときにも対応できます。
使い慣れたクレジットカードを使って借り入れられるため、カードローンに申し込むのに抵抗がある人も利用しやすいという利点もあります。
利用限度額の範囲なら何度でも借りられる
クレジットカードのキャッシング機能は、一度枠の設定を済ませると、利用限度額の範囲で何度でも借り入れが可能です。
すでにキャッシングを利用している状態でも、毎月の返済をきちんとおこなっている限り、その分だけあらたに借り入れができます。
クレジットカードのキャッシング機能は金利が高めなため、長期の借り入れには向いていません。
しかし利用限度額内であれば何度でも利用できるため、結婚式が重なった時や旅行の際など、細々とお金を補填したい時に役立ちます。
キャッシング機能を利用して海外で現地通貨を用意できる
クレジットカードのキャッシング機能は海外でも利用が可能で、世界主要都市の空港や駅、銀行に設置されたATMを利用して現地通貨を引き出せます。
必要に応じてその場で現地通貨を借りられるため、日本で両替をする手間がなく、余分な現金を持ち歩く必要もありません。
海外でも普段のキャッシング枠を利用できるクレジットカードと、事前に海外キャッシュサービス利用枠の設定が必要なクレジットカードがあります。
海外で円滑にキャッシングを利用できるよう、あらかじめ以下の点を確認しておきましょう。
- 使えるキャッシング枠の有無
- 暗証番号
- 利用限度額
- カードの有効期限
クレジットカードにはカード不正利用検知システムが導入されており、不正利用が疑われると一時的にカードが利用できなくなります。
不正利用が疑われる一例
- 海外で高額の利用があった場合
- 利用回数が急激に増加した場合
あらかじめクレジットカード会社に連絡をすると、不正利用検知システムが誤って作動することを防げます。
海外でクレジットカードを利用する予定がある人は、事前にクレジットカード会社に海外で使用することを伝えておきましょう。
海外キャッシングで利用した分の返済は、クレジットカードの引き落とし日に、登録口座から自動で引き落としされます。
クレジットカードのキャッシング機能の申込方法
キャッシング機能を利用するためには別途申し込みが必要で、申込方法は以下の2通りがあります。
- クレジットカード発行時にキャッシング枠を付ける
- 発行済みのクレジットカードにキャッシング枠を付ける
これからクレジットカードを発行する人は、クレジットカードの発行にあわせてキャッシング枠を申し込めます。
すでに利用しているクレジットカードにキャッシング枠を付けたい場合は、クレジットカード会社にキャッシング枠の申し込みをおこないましょう。
審査の際は、本人確認書類や収入証明書類を提出します。
本人確認書類の一例
- 運転免許証や運転経歴証明書
- マイナンバーカード
- 保険証
- 特別永住者証明書や在留カード
以下のいずれかの条件にあてはまる場合は、貸金業法に則り収入証明書類の提出が求められます。
- キャッシング利用限度額が50万円を超える場合
- 希望の限度額とほかの貸金業者からの借入残高の合算が100万円を超える場合
収入証明書類の一例
- 給与明細書
- 確定申告書
- 源泉徴収票
多くのクレジットカードは、学生や主婦もパートやアルバイトなどで収入があれば申し込みが可能です。
ただし、総量規制の規定により、収入がない人は申し込めません。
クレジットカード発行時にキャッシング枠を付ける
クレジットカード発行時にキャッシング枠を付ける場合は、クレジットカードの申し込みの際にキャッシング枠を希望し、希望の利用限度額を申請します。
カード発行時にキャッシング枠を申し込むと、クレジットカードの審査と同時にキャッシング枠の審査も行われます。
クレジットカードの申込方法はインターネット、専用カウンター、郵送の3通りです。
申込時に支払口座の設定をおこなうため、支払いに利用する金融機関のキャッシュカードや通帳など、口座番号が分かるものを手元に用意しておきましょう。
審査の際は本人確認書類と、必要に応じて収入証明書類を提出します。
一般的に、申し込みからカードの発行まで3営業日程度、カードが自宅に届くまでは1週間程度かかります。
発行済みのクレジットカードにキャッシング枠を付ける
すでに手元にあるクレジットカードは、別途申し込みと審査をおこなうことで、後からキャッシング枠を付けられます。
申し込みはインターネットや電話からおこない、審査の際は必要に応じて収入証明書類を、郵送またはインターネットで提出します。
審査結果が出るまでにかかる時間はクレジットカード会社によって異なり、最短即日で結果が出るところもありますが、3〜7日程度かかるところもあります。
もしキャッシング枠の審査に通らなかった場合も、ショッピング枠は今まで通り使用可能です。
キャッシング枠は後から増減できる
キャッシングの利用限度額を増やしたい、または減らしたいという希望がある場合は、後からキャッシング枠の増減が可能です。
キャッシング枠の増減を希望する場合は、電話やインターネットから申し込みをし、あらためて審査を受けます。
カードによっては、増額の申し込みはインターネットからできるが、減額は電話でのみ対応という場合もあります。
自分のクレジットカード会社がどのような対応をしているのか、確認してみましょう。
キャッシング機能を使う予定がなく、キャッシング枠がいらない場合は枠を0円に設定できます。
通常、クレジットカードが第三者により不正利用された場合はクレジットカード会社が補償をおこないますが、暗証番号を使用した取引の場合は原則として補償の対象外です。
キャッシングを利用する際は暗証番号を使うため、キャッシングの不正利用は補償の対象になりません。
クレジットカード紛失時にキャッシング機能が悪用され、被害を受ける恐れもあるため、キャッシング機能が不要な人は枠をなくしておくのもひとつの手です。
他のローン審査時に、既存のキャッシング枠が影響を及ぼすこともあります。
クレジットカードのキャッシングは総量規制の対象となるため、不要なキャッシング枠があると、カードローンに新規申込した場合やキャッシング枠の審査に通らない一因となります。
クレジットカードのキャッシングの利用方法
キャッシング機能の利用方法は、ATMで現金を借りる方法と、クレジットカードの支払口座にお金を振り込んでもらう方法の2つがあります。
ATMは全国の銀行やコンビニで利用でき、手軽に現金を引き出せます。
口座振込は電話やインターネットから申し込めるため、自宅にいながら利用できる利点があります。
自分の状況に合わせて、使いやすい方法で利用しましょう。
コンビニや銀行のATMで現金を借りる
クレジットカードを使い、銀行やコンビニの提携ATM、クレジットカード会社が独自に設置しているATMで現金の借り入れができます。
セブン銀行やローソン銀行、E-netなどのコンビニATMであれば、24時間いつでも*借り入れが可能です。
※23:50〜翌0:10およびシステムメンテナンス時は利用できない場合があります。
銀行ATMを利用する際には、営業時間や休業日を確認して利用しましょう。
コンビニATMで借り入れする時は、銀行口座からお金を引き出すのと同様の操作で利用できます。
現金が必要なときに近くのコンビニATMから借り入れできるため、いざという時に非常に役立ちます。
提携ATMの利用は、借入金額が1万円以下の場合は110円、1万円を超える場合は220円の手数料がかかります。
インターネットや電話から申し込み口座振込で借りる
口座振込は、クレジットカードの支払口座への振り込みでお金を借りる方法です。
電話やインターネットから口座振込の申し込みをおこなうと、最短数十秒でお金が振り込まれます。
クレジットカードによって、即時の振り込みに対応している時間帯が異なります。
メンテナンス時間を除き24時間いつでも即時振込が可能なカードもあれば、即時振込が可能なのは9〜14時半までというところもあります。
口座振込で借り入れたい人は、所有しているクレジットカードを利用する際に振込してくれる時間を確認しておきましょう。
クレジットカードのキャッシングの返済方法
クレジットカードのキャッシング機能で借りたお金は、翌月に1回払いで支払うか、もしくはリボルビング払いで複数回に分けて返済します。
借り入れには所定の手数料と利息がかかり、1回払いとリボ払いでは返済までにかかる利息の合計額が異なります。
例として、JCBクレジットカードのキャッシングを利用し、10月1日に年18.0%の金利で10万円を借りたと仮定してシミュレーションをしてみましょう。
JCBの支払い日は毎月10日であるため、1回払いの場合は翌月の11月10日に支払手数料1,972円と、借り入れた10万円を合わせた101,972円を支払います。
同様に10万円をリボ払いで借りた場合、月1万円の返済と仮定すると、返済期間である翌年8月までの利息は合計8,684円です。
このように、同じ10万の借り入れでも返済方法によって返済までにかかる期間に差が生じ、支払う利息の額が大きく異なります。
利息をなるべく少なくするためには、1回払いで返済するか、余裕があるときに繰上返済をおこないましょう。
繰上返済とは、毎月の返済とは別に借入額の一部あるいは全額を返済することで、元金を効率的に減らせるため利息を抑えられます。
一般的に繰上返済の方法は以下、2種類があります。
- 提携しているATMを利用して入金する
- 銀行振込で支払う
銀行振込の場合は、インターネットや電話でクレジットカード会社にキャッシングの繰上返済を申請します。
クレジットカード会社から振込先や振込日を教えてもらい、指定口座に振り込みをおこないましょう。
繰上返済の際にかかる振込手数料や、ATMの利用手数料は利用者の負担です。
翌月1回払いで一度に返済すると利息を抑えられる
1回払いは、キャッシングで借り入れたお金を翌月に一括で返済する方法です。
毎月の締め切り日までに利用した元金と手数料の合計が、翌月の支払日に一括で、カード利用代金支払口座から自動振替されます。
1回払いの手数料は、キャッシング利用日の翌日から支払日までの日数を日割り計算した金額を支払います。
キャッシング1回払いの手数料の計算式
キャッシング利用金額×年利×利用翌日から支払い日までの日数÷365*日
※うるう年は366
例えば、10万円を年利18.0%で30日間借り入れた場合は、1,479円の利息が発生します。
一度に支払うため支払いの負担は大きいですが、リボ払いにくらべ少ない利息で済みます。
リボルビング払いは毎月一定の返済額なため負担が少ない
リボ払いは利用金額や件数にかかわらず毎月決められた支払額を支払うため、月々の負担が少ない返済方法です。
複数回に分けて支払う面では分割払いと似ていますが、分割払いは支払い回数を決めるのに対し、リボ払いは1回に支払う金額を決めます。
リボ払いには主に、以下の3つの方法があります。
- 残高スライド方式
- 元金定額払い
- 元利定額払い
違いを理解せずに利用すると、思った以上に返済期間や利息がかかり支払いの負担が増えてしまうため、どんな支払方法なのかを知ったうえで利用しましょう。
残高スライド方式は借入残高が減ると毎月の支払額が少なくなる
残高スライド方式はキャッシングの残高に応じて毎月の支払額が変動し、支払いを進めて残高が減ると毎月の支払額が少なくなっていく支払方法です。
ただし、追加で借り入れを行うと残高が増えるため、返済額が増えてしまいます。
元金定額払いは毎月支払う元金を一定額に固定する方法
元金定額払いは元金の毎月の返済額を一定額に固定し、利息は借入残高に応じて変動する方法です。
たとえば毎月支払う元金を1万円とした場合は、1万円にキャッシング残高に対する利息を足した金額を支払います。
上乗せする利息が変動するため、毎月の支払額も変動します。
元金定額払いは借入残高が多い返済初期は負担が大きい一方、次に紹介する元利定額払いよりも返済総額を抑えられるのが利点です。
元利定額払いは毎月の支払額を一定に固定する方法
元利定額払いは、元金と利息を合わせた毎月の返済額を一定にする方法です。
毎月の返済額を1万円とした場合、返済額1万円の中に利息も含まれます。
返済初期は返済額に対する元金の割合が少なく、返済が長引く場合が多いです。
早期に返済するには繰上返済を活用する
クレジットカードのキャッシング機能で借りたお金は、繰上返済を利用して早期に支払うこともできます。
繰上返済には、以下の利点があります。
- 支払う利息を抑えられる
- 利用可能枠を回復できる
キャッシングの利息は利用残高に応じて発生するため、返済に時間がかかればかかるほど、利息は増えていきます。
余裕があるときに繰上返済をおこなうと返済期間の短縮ができ、利息の負担を小さくすることが可能です。
繰上返済をおこなうと、支払いが完了した分だけショッピングやキャッシングの利用可能枠の回復もできます。
クレジットのキャッシング機能を利用する際の注意点
クレジットカードのキャッシング機能は、手軽に現金を借り入れできるとても便利な機能ですが、利用する際は注意点もあります。
- キャッシング枠はショッピング枠に含まれる
- 同時に複数社利用できるが限度額は増えない
- 返済計画をたてて利用する
- 返済が遅れると遅延損害金が発生しカード利用が停止する
キャッシング枠の仕組みを知らないと、いざという時に利用できる枠がなく、キャッシングを利用できない場合があります。
キャッシングは使いやすい分、使いすぎや支払い遅延につながる可能性もあるため、計画的な利用を意識しましょう。
キャッシング枠はショッピング枠に含まれる
クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠がありますが、一般的にキャッシング枠はショッピング枠に含まれています。
ショッピング枠が30万円、キャッシング枠が10万円に設定されている場合、全体の枠はショッピング枠の30万円でその中にキャッシング枠の10万円が存在します。
もし、キャッシングで10万円借りたとすると、ショッピングで使えるのは20万円までです。
ショッピングで30万円まで使用した場合は、その月のキャッシング枠は0円となり、キャッシングができません。
ショッピング枠とキャッシング枠を合わせた40万円が使えるわけではない、ということを覚えておきましょう。
同時に複数社利用できるが限度額は増えない
クレジットカードは、同時に複数社のカードを利用できます。
クレジットカードによって年会費やポイント還元率、ショッピング補償などが異なるため、複数のクレジットカードを所有し使い分けている人も多くいます。
ただし、複数枚クレジットカードを所有しそれぞれにショッピング枠をつけても、限度額の合計は大きくはなりません。
総量規制は、カードローンの借入残高やクレジットカードのキャッシング枠の全てを合算した額に適用されます。
そのため、複数のクレジットカードでキャッシング枠を作ると、その分一つ一つの利用限度額は少額になります。
返済計画をたてて利用する
クレジットのキャッシングを利用する際は、各クレジットカードのサイトに用意されている返済シミュレーションも活用し、計画的に利用しましょう。
クレジットカードのキャッシング機能は、自分の銀行口座からお金を引き出すような簡単な操作で借り入れができます。
とても手軽に利用できますが、キャッシングはあくまでも借金です。
特にリボ払いは、毎月の支払いの負担が軽く利用しやすい一方で、支払う利息が大きくなりやすい傾向にあります。
キャッシングを利用する際は無理な借り入れは控え、かかる利息をよく確認して利用することが大切です。
返済が遅れると遅延損害金が発生しカード利用が停止する
残高不足などで指定の口座から引き落としができなかった場合、支払いが済むまでクレジットカードの利用が一時的に停止します。
クレジットカードの利用が停止する時期は、クレジットカード会社や今までの支払い状況によって異なります。
クレジットカード会社の指示のもと支払いをおこない、クレジットカード会社で支払いの確認が取れるとカードの利用は再開されますが、再開までには数日待たなければなりません。
遅延損害金とは、支払日の翌日から支払い完了日までの期間にかかるお金で、通常の利息よりも金利が高くなります。
第40条(遅延損害金)
1.本会員が、キャッシングリボの支払を遅滞した場合は支払元金(付利単位1,000円)に対し支払期日の翌日から完済まで、また期限の利益喪失の場合は期限の利益喪失の日の翌日から完済の日まで、年20.0%を乗じ年365日(閏年は年366日)で日割計算した額の遅延損害金を支払うものとします。
2.前項の取扱は海外キャッシュサービスの場合も同様とします。
引用元:三井住友カード会員規約
そのまま滞納を続けるとクレジットカードが解約されることもあり、滞納の情報は信用情報にも記録されます。
信用情報とは、各金融機関が審査の際に利用者の返済能力を判断するために使う重要な情報のことであり、CICに代表される信用情報機関で管理されています。
この信用情報に滞納やカードの強制解約といった情報があると、あらたなローンやクレジットカードの発行が難しくなります。
万が一支払いが遅れた場合は、速やかにクレジットカード会社に連絡をしましょう。
クレジットカードでキャッシングできない6つの理由
クレジットカードでキャッシングができないときは、おもに以下の理由が考えられます。
- キャッシング枠の申し込みをしていない
- 利用限度額に達している
- カードの利用料金を滞納している
- ATM操作のミスまたはATMが対応していない
- カードの磁気不良
- 住所や年収等の登録情報の変更手続きがされていない
使いたいときにキャッシングが利用できないことがないよう、事前にできる対策は立てておきましょう。
キャッシング枠の申し込みをしていない
クレジットカードのキャッシング機能は、キャッシング枠の申し込みをし、審査を受けなければ利用できません。
クレジットカード発行時に一緒に申し込んでいない場合は、別途申し込みをし、審査を受けましょう。
自分のクレジットカードにキャッシング枠がついているかわからないときは、クレジットカード会社の会員ページや公式アプリなどから照会が可能です。
利用限度額に達している
キャッシング機能には審査で決められた限度額があり、すでにキャッシングの利用限度額まで利用している場合は、新たにキャッシングを利用できません。
今借りている分を返済し、枠を空けてからあらためて利用しましょう。
注意が必要なのは、キャッシング枠はショッピング枠の影響を受ける点です。
キャッシング枠はショッピング枠に含まれているため、ショッピングで枠を全て使っている場合は、キャッシング枠は残っていません。
例えばショッピング枠が30万、キャッシング枠が10万の場合に、ショッピングで30万円を使用してしまうとキャッシング枠は0円になります。
利用限度額は増額もできるため、必要であれば増額の申し込みをしましょう。
カードの利用料金を滞納している
ショッピングやキャッシングで利用したカードの利用料金を滞納すると、クレジットカードの利用が停止します。
支払いの遅延がある場合はクレジットカード会社に連絡をし、すぐに支払いをおこないましょう。
クレジットカード会社で支払いを確認後、カードの利用が再開されますが、再開までには数日かかります。
支払いを遅延しないよう、支払日の前に口座の残高を確認しておきましょう。
ATM操作のミスまたはATMが対応していない
暗証番号の入力ミスやタッチパネルの操作ミスも、キャッシングができない原因となります。
暗証番号を何度も繰り返し間違えてしまうと、ロックがかかりクレジットカードを利用できなくなります。
クレジットカードにロックがかかるとカードの再発行が必要になるため、暗証番号を忘れた場合はクレジットカード会社に暗証番号を確認したうえでカードを利用しましょう。
クレジットカードによって、キャッシングに利用できるATMが異なります。
利用可能なATMは、各クレジットカード会社のサイトから検索できます。
利用時間外やメンテナンスなどによりATMが一時的に利用できない場合もあるため、利用できる場所や時間を事前に確認しておきましょう。
カードの磁気不良のためカード情報を読み取れない
滞納などの原因がなく、複数個所のATMでクレジットカードが使用できない場合は、磁気不良の可能性があります。
カードが磁気不良になるとATMでカード情報を読み取れず、キャッシングが利用できません。
クレジットカードが磁気不良の場合は、クレジットカード会社に連絡をしてクレジットカードの再発行が必要になります。
Q.カードが磁気不良になる原因を教えてください。
A.回答
クレジットカードの磁気ストライプやICチップは、破損したり、弱まったりすると利用できなくなる場合がありますので、次の点にご注意ください。
引用元:JCB よくあるご質問
- 強い磁気を発する物(携帯電話、スマートフォン、テレビ、ラジオ、スピーカー、ハンドバッグや財布等の磁石留め具など)には近づけすぎない
- キャッシュカードなど、他の磁気ストライプカードと磁気部分を重ねた状態で長期間保管しない
- カードが汚れたり、濡れる可能性がある場所では保管しない
※カードが汚れたり、濡れた場合は柔らかい布などで軽くふき取ってご利用ください。- 突起物や硬い金属等に接触して傷を付けない
- カードに強い力をかけたり、折り曲げたりしない
手帳型のスマートフォンケースにはカードを収納できる仕様のケースもありますが、留め具の磁石やスマートフォンの磁気の影響を受ける場合もあります。
カードの磁気不良を防ぐために、クレジットカードを磁気が強い物に近づけない、カードに傷をつけないなどを意識しましょう。
住所や年収等の登録情報の変更手続きがされていない
カード発行時に申告した登録情報に変更があった際に、きちんと変更手続きをしないと利用に制限がかかることがあります。
転職や引っ越し、結婚などで申込時に登録した情報に変更が生じた際は、速やかにクレジットカード会社に連絡をしましょう。
家族カードでキャッシング可能な場合もある
家族カードのキャッシング枠を利用し、お金を借りられる場合があります。
家族カードとはクレジットカード契約者である本会員の家族に対して発行できるカードのことで、配偶者や両親、18歳以上の子供が利用可能です。
家族カードを利用したキャッシングの可否については、以下の3通りがあります。
- 本会員と同様にキャッシングが出来る
- 家族会員のうち、配偶者のみキャッシングが出来る
- 家族会員はキャッシングが出来ない
たとえば、セゾンカードは家族カードでキャッシング機能を利用できます。
Q.家族カードでキャッシングの利用はできますか。
A.
本会員様のカードにキャッシング可能枠が付与されていて、かつ家族カードのキャッシング機能を設定されている場合は、本会員様のキャッシング可能枠の範囲内でご利用が可能です。
《ご注意》
●家族カードのキャッシング機能設定や、家族カードでのキャッシングご利用可否は、カードをお手元にご用意のうえ、本会員様よりインフォメーションセンターまでご連絡ください。お問い合わせ先は、カード裏面またはこちらよりご確認ください。
●家族カードの暗証番号が未登録の場合は、暗証番号登録完了後、再度キャッシング利用のお申し出をお願いします。
引用元:SAISON CARD
利用しているクレジットカードの家族カードでキャッシングが可能かどうかは、クレジットカード会社に確認しましょう。
家族カードは、本会員の限度額内で利用できます。
たとえば本会員の利用限度額が50万円の場合、本会員と家族会員それぞれが50万円を利用できるのではなく、利用可能な金額は本会員と家族会員合わせて50万円までです。
利用金額の請求は本会員と家族会員の利用額を合わせて、本会員に請求されます。
家族カードは本会員のカードを家族で利用している状態なため、家族で話し合い計画的に利用しましょう。
クレジットカードのキャッシング機能を上手に利用しよう
クレジットカードのキャッシング機能は、一度キャッシング枠を設定すると、最寄りの提携ATMや口座振込を利用しすぐに借り入れができます。
キャッシング枠はクレジットカードの発行時にあわせて申し込めますが、後からの申し込みも可能です。
キャッシング機能を利用する際は、審査の結果決められた利用限度額を確認し、その範囲内で利用しましょう。
カードローンに比べ金利が高めなため長期の利用には向きませんが、手元の現金が足りない場合などにとても役に立ちます。
一方で借り入れが簡単な分、計画的な利用が必要です。
リボ払いの仕組みを知り、実際にどのくらい利息がかかり、返済期間はどのくらいなのかを検討して利用しましょう。